過去に自作したRX580 GPUマイニングリグの紹介や反省

in #crypt4 years ago

過去に自分が自作したGPUリグの紹介をします。つかったグラフィックボードはRadeonのRX580-8GBタイプです。可能な限り自分の中で”どうしてこれを選択したのか?”といった判断材料も書いていければと思います。

趣旨

GPUマイニングリグ.jpg

・Nicehashで採算が取れる(ように見えた)
・GPUリグ投資の段階的フロー
・GPU以外の部分で余計な投資だった部分の話
・GPUリグを停止した理由
・マイニングをやってみて良かったこと

Nicehashで採算が取れる(ように見えた)

きっかけは、Nicehashでシミュレーションした時に、RX580で採算が取れるように見えたからです。時期としては2018-2019にかけて約5ヶ月間ほどだったと思います。
RX580自体は今日の日付で試してみても¥203/dayで稼ぐ優秀なGPUだと思います。
werwe.png

当時の肌感覚としては、このシミュレーションより一日あたりの金額が5-7円くらい少なかったの思い出があります。当時の僕は自作PCなども興味がそもそもなく、まったく1から情報を集めてGPUリグを作成するといった状況でした。

GPUリグ投資の段階的フロー


最初に作ったリグは段階的にいくつか目的を定めて、情報を得てく目的もありました。そこで、段階的に小目標を以下のように決めてGPUリグ投資に当たってたように思います。当時、会社の寮で「自作PCで仮想通貨の研究を趣味でやりたいが稼働させて問題ないか?」とボカして確認したところ職場の上長レベルで合意が得られたのも大きいと思います。

1、最小構成でGPUの性能を判断
2、同型のGPUを買い増してリグとして本格稼働
3、フルセットにして運用
当初はこのようなフローを考えてました。

ただ、実際は途中で「例のグラボ」と呼ばれるRX470のマイニング仕様モデルが中古市場にどかっと流れて来たのもあり、Radeonのグラボで干渉が少ないとも考えて、一気に大型リグの運用に向けて動くようになります。

自分が組んだ実機の構成は、

OS:Win10-¥13800
マザーボード:H310-F-PRO-¥6500
CPU:i3のなんか-¥15500
SSD:120GB-¥2700
メモリ:8G-¥5500
電源:1200W-¥25000
____
合計:¥69000

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GPU以外の部分で約¥70000と、RX580OCモデルはバルク品だったため@¥25000で調達。

なので、最小構成で¥94000がリグの原価になりました。

RX580のGPUは1台で、30MH/s程、金額で¥38/dayのため、GPU1台構成だと2473日程が回収に必要になる投資。

GPU単体で見ると657日かかるリスクの大きい投資だったが、仕事を続ける限り電気代を気にせず稼働させられること、このあと、例のグラボが¥6500程で手に入れる情報が耳に入ることで、「採算がぎりぎり取れる?」という判断になってしまったのはミスだったと思います。

GPU以外の部分で余計な投資だった部分の話

最終的に、GPU自体はRX580が3つ、RX470が4つ、という計7個のGPUリグになりました。

3.jpg

まず、【GPU以外の構成】にあるOSやら電源やらは可能な限りチープなもので良かったと思います。。電源はゴールドプラスの規格がベストでそれ以上は余計な投資に感じでした。

SSDもOSが収容できる+ちょっと足がでる程度でよかった。「仮想メモリとしても使えるように~」という発想はあまり役立たなかった。メモリで8Gだけで十分。

マザーボード選びはもう少し慎重になっても良かったと感じる。というのは、自作リグに手を出している時期に「マイニングエキスパート」という仮想通貨マイニングにおいて一番メジャーなマザーボードが格安で売られてた時期がありました

マザーボードは、一番コストを安くも高くもできるが、選択によって結果が七色に変わる重要な要素だったと思います
正直、ここの判断は間違えてしまいました。適当にパソコンショップの店員に聞いてGPUが多数挿せるか?だけで安いものを選んでしまったのは間違いでした。(結果的に、後に見つけるマイニングエキスパートのほうが安く正しい判断だった)

メジャーなマザーボードを使う理由は?


メジャーなマザーボードを選択する理由は大きく3つあります。

・搭載可能なCPUがマイニング向けに安いものが乗せやすくなっている
・少ないマイニングコミュニティの、多くの人が使っているためトラブル&エラーの解が見つけやすい
・HiveOSや、ethOSといった、マイニング用の格安OSを載せられる(人柱が少なく、自作リグではHiveOSは載せられなかった)

マイニング用のOSについては、ここらへんの記事がとっかかりやすいと思われます。
マイニング専用OS「ethOS」で仮想通貨を掘ろう、導入から設定までを実践! - AKIBA PC
HiveOSの設定方法は?3リグまで無料!最強マイニングOSの使い方を完全解説!|マイニングの窓口

・マザーボードを選ぶことで、選べるCPUが限定される。
・マザーボードが広くマイニングで使われているかで実験談が多い。
・相談がしやすく、トラブルにいちいち気を取られない。
ここらへんがかなり大きなメリットになると思います。

リグを寮で運用する注意


3年近く稼働させるつもりだったGPUリグは約半年で稼働を終えることになる。一番の原因は7つもGPUがついたリグの電気代だ。
自分が負担しないだけで、実際は電気代がかかっている。会社から「かなり水道光熱費が多くかかってるようだが心当たりはあるか?」という人事部からのメールがあったのが停止のきっかけだ。結果的に¥40000近くが電気代でかかっていた。

遠回しにリグを運用する許可も得ていたので、思い切って大型GPUリグでの運用にしてしまったのが失敗だった。

ただ、正直なところ当初の予定通りGPU自体を3つ程に抑えつつ、採算性を突き詰めてGPUリグを制作できていれば長期的に運用できたと思われる。

稼働期間が少なかったことで、パーツの消耗も少なく、流行り廃りとしての中古価格の下落もなかったため、いくばくかの利益がでる投資とはなった。

例えば、この記事で出てくるRX580というタイプのGPUだが、数千円落ちで処分することができた。保証期間が残ってたことも幸いした。
極端な話、全て中古パーツでリグを組んだ場合はもっと収益性をあげれたと思うし、特に目立ったハッシュレートの減少なども考えにくいと思われる。

マイニングをやってみて良かったこと


一番は自作PCについての知見得られたことだ。これはかなり大きい。
安定稼働を目指してコストを抑えるかという言葉につきるが、これはマイニングリグとして自作PCを作ってる人でないと極まってこないノウハウであるし、ライバルとの差別化を考えると表に出にくい。

2017年のBTCの高騰による最後のマイニングブーム以降で、各パーツメーカーも「マイニング用」としてのマザボやらGPUやらは特段出しておらず、かつ日本では人気の無いGPUマイニングの知見は得難いものがある。

逆を言うと、マイニングにおいての観点が抜けているのでマイニングリグとしての適正価格を大きくすっぱ抜けたパーツも得やすくなってると思う。
GPU自体はゲーミングPCの需要もあるため大きく値崩れしにくい。
「最後にGPUリグ本体を中古市場で売却する」ことを含めれば、素人でも頑張れば気軽にできる投資になりうるというのが私の考えだ。