米国株式市場はオールタイム・ハイ、しかし、、

in #japanese8 years ago

 米国株式市場は、史上最高値で先週の取引を終了しました。マーケットのベンチマーク、S&P500指数の週足チャートです。 

 新高値なのですから、普通に考えればお祭り騒ぎになる筈です。しかし、下のチャートを見てください。 

 CNNマネーに掲載されている恐怖&欲 指数です。現在の数値は57という欲(強気)示す数字ですが、ほぼ真ん中ですから、中立からやや強気になった程度です。1カ月前の47(中立)からは回復していますが、1年前の79(超強気)には遠く及びません。 

 上は投資心理の周期です。 

 1、楽観、2、興奮、3、スリル、4、陶酔、5、ここが最高の買いチャンスだ!、
6、心配、7、現状の否定、8、恐怖、9、自暴自棄、10、パニック、11、降伏、
12、落胆、13、鬱的な状態、14、希望、15、安心、16、楽観


現在のマーケットは史上最高値なのですから、投資心理は4番の陶酔になる筈です。しかし、恐怖&欲指数はたったの57、陶酔などと言える状態ではありません。 

 個人投資家たちの冷え込んだ状態は、毎週AAIIから発表される意見調査にも表れています。 

 強気回答(A)は26.9%しかありません。更に、この数値は前回の数値から5.9ポイント下がり(B)、歴史的平均値である38.5%(C)にも満たない状態です。 

 投資心理は単に低いだけでなく、DailyFXには、こんなデータが掲載されています。

 個人投機家たちの、S&P500指数の売買状況です。買いポジションはたったの16%、そして空売りポジションは84%もあります。正に弱気です。しかし、個人投機家たちは「逆指標」として有名ですから、これで判断すると、マーケットの上昇はまだ続きそうな様相です。 

 投資家たちは、いったい何を心配しているのでしょうか?ヒントは米10年国債の利回りに表れています。 

 利回りは低下し、4月の安値(2.177%)を割って先週の取引が終了しました(2.159%)。米国経済が本当に強いのなら、こんなことは起きません。

(情報源:恐怖&欲 指数

AAII意見調査

DailyFX

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イールドカーブがジワリとフラットに近づいているのも、あまり良い雰囲気ではないと感じています。

同感です。イールドカーブは確かに嫌な感じになってきたと思います。

セルインメイがききませんでしたね

来ませんでしたね。8日(木)には 欧州中銀金融政策発表、イギリス総選挙、コミー前FBI長官の議会での証言、と色々ありますから、ひょっとすると大きな動きが起きるかもしれませんね。