こんばんは、kikoyamadaです。
メモがてら、読書感想文がてら、紹介がてら、な文章です。
原題 Animal Farm
邦題 動物農場
著者 ジョージ・オーウェル
訳者 山形浩生
あらすじ
「自分たちは人間に搾取されている」と考えたある農場の動物たちは、人間を農場から追い出すという "革命" を成功させる。そして彼らは理想郷の実現へと胸を躍らせるが、やがて豚たちがルールをつくりはじめる。
この本が書かれたいきさつ
この小説はスターリンの社会主義を批判するために書かれたものだそうで、大きな話の流れは、実際にあった革命から腐敗までを、ほぼそのままなぞってます。出版された1945年当時は、社会主義が資本主義よりうまくいってるんじゃないかという意見が西洋の知識人のあいだでは主流で、社会主義を批判するのはダサいというかわかってないというか、そんな感じだったっぽく、それでも「いやいや社会主義うまくいってないから」と、著者はこの本を書いたそうです。
そのように、この本はスターリン批判という明確な目的のうえで書かれたものではありますが、そこから読者が得られるのはもっと広い範囲に適用できるものだと思います。
感想
ナチスとか軍国主義とかの話をきいて、僕が密かにずっと恐怖を抱いているのが、「考える頭のあるはずの人たちまでもが、少し考えればおかしいとわかるはずのことに同調してしまう」ということと、「自分もその悪に加担してしまう可能性がある」ということなんですが、この本はそんなことが実際にどのように現実のものとなっていってしまうのか、ということを追体験させてくれます。
つまり、 "少し考えればおかしいとわかること" がいかに人々を丸め込んでいき、いかにそのへんの "いい人" たちがそれに流されていってしまうか、ということが「あぁ、現実でもこんな感じで進んでいっちゃうのかな」と思わせるようなリアルさで描かれているのです。
誰でも教科書を読んで「ファシズムがあった」「軍国主義があった」とかっていうのは情報として知らされこそしますが、「実際に何が起きたのか」という肝心なところは誰も教えてくれなかったりします。そこにあるのは、誰もがその悪に同調・加担してしまう可能性がある、という恐ろしい事実であるにもかかわらずです。
この小説は、そこで本当には何が起きるのかというその一例を、具体的かつ明快なかたちで理解させてくれることによって、少なくとも自分がそのひとりになる可能性は減らしてくれたかなと思います。そういう点で、いま読んでも非常に意味のある小説だと思いました。
短い本なので、よかったらぜひ。
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この本を読んだことはないのですが、この本に登場する「馬」のようにはなるなと、つい最近どこかで読みました。…どこで読んだのか思い出せません(ノД`)
馬って確か何匹か出てくるんですよ。どれのことだろう。
そうなんですね。調べてみたら、ボクサーという馬っぽいです。
私も読んでみたいと思います(^-^)
働き者の馬ですね。なるほどなるほど。
ぜひ。また感想きかせてください^^
こちらの本、読んだことないので、早速見て見たいと思います!
ぜひぜひ!
@kikoyamada got you a $1.66 @minnowbooster upgoat, nice! (Image: pixabay.com)
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盲目は楽ですが恐ろしいことですね。
そうなんですよね。それを口で言っても「はいはい」で終わりになるところに、こういう話の存在意義があるのかなと思います。