ブロックチェーンは主にインターネットで展開されるデジタルなものだからインターネットで閲覧可能だし、図書館となんの関係があるの?
あるのです。今回はそんなお話。
“Chancellor on Brink of Second Bailout for Banks”.
「英財務大臣、銀行に二度目の救済処置か(意訳)」
2009年1月3日、サトシ・ナカモトと名乗る人物はその日の「The Times」1面の見出しを引用し、最初のブロックチェーンの最初のブロックを作りました。ジェネシス・ブロックと呼ばれています。
https://blockchain.info/tx/4a5e1e4baab89f3a32518a88c31bc87f618f76673e2cc77ab2127b7afdeda33b?show_adv=true
https://en.bitcoin.it/wiki/Genesis_block
先日の「ビットコインロゴに込められた意味(記事参照)」といい、初期のビットコイン・コミュニティのアナーキズムに痺れます。政治的な意味合いが強かったことがうかがい知れます。
少しお話が逸れますが、暗号通貨界隈では有名なビットコイナー、Max Keiser 氏は、今年2018年3月にツイッターで興味深いアンケートを取りました。
「ビットコイナーが最低限理解しておくこととは?」というアンケートに、半数以上の方が「技術」でも「経済」でもなく「政治」と答えています。彼のフォロワーバイアスは考慮すべきですが、それを差し引いても注目に値すべき数字です。
2009年はまだリーマンショックが冷めやらぬ年。緩い審査でお金を貸すだけ貸して、ローン返済に苦しむ人間や破産者を大量に作り出し、彼らから(当然のごとく)お金を回収できなくなり、資金繰りが難しくなったから国から手厚く公的資金注入を受ける銀行に、政府銀行間の関係も含めて嫌気がさしていたのだろうな……と推測します。
そういった空気の中、銀行や政府に頼らないビットコインが登場し、先の引用とともに「私たちは自分の資産は自分で護る」「銀行や政府には頼らない、君たちと決別する」と言わんばかりのタイムスタンプを押したのです。ものすごくかっこよくないですか?
これを知っちゃったら、サトシ・ナカモトがその日読んでいたであろう The Times を読んでみたくないですか??
https://www.thetimes03jan2009.com/
例えばこちらのサイトでコピーを入手できますが、モノホンのブツを手に取ってみたくないですか??? 私はしたい! 読んでみたい!! such newspaper much wow!!!
……ので、読んできました。最寄りの大学図書館にナマなヤツがありました。
皆様も図書館へ行ってオタク体験を充実させましょう!
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000145155-00
安心安全信頼の国立国会図書館。
右側に The Times 収録図書館が載っていますので、最寄りの図書館にアクセスしてみてはいかがでしょう。
※もし閲覧に行くなら事前に問い合わせた方がよいかもです😎
欠損していたら悲しいですからね。
地方勢はオンライン登録すればマイクロフィルムのコピーを申し込むことができるようです? 私は試したことがありません。こんなサービスがあるとは。
http://id.ndl.go.jp/bib/000000145057
私は最寄りの大学図書館で冊子体になったモノホンのソレをコピーしたのですが、どうしても見開きの谷間に近い部分がコピーできず、文字が切れてしまいました……ですので今申し込んでみました。届いたらお伝えしたいなと思っています。
私的メモによると、その日の「6, 7面」の見開きにも「Chancellor on Brink of Second Bailout for Banks」の文字列があるので、そちらも取り寄せてみます。1面は有名ですがこの見開きはあまり知られていないようで、ちょっとマニアックですよ😏
それでは皆様よきオタクライフを!
※この記事は ALIS に投稿したものを加筆修正したものです。