どうも、 @Sho-T です。
先月、ESG投資を行うFoundationで仕事をされている
溝口さんにお話を伺いました。
その際、マクロ的な流れとして、
「もうSDGs/ESG/ソーシャルグッドへの流れは止まらないな」と、
感覚的に思ったこともあり、ここに記しておきます。
お話する前から、ソーシャルグッド(社会/世界的に良いこと・貢献)を加速させるシステムの必要性を強く感じていましたが、
よりマクロ的な流れの確信を得たかったこともあり、お話を伺いました。
ソーシャルグッドに着目し始めたきっかけは、
昨年書いた以下の記事のあたりからです。
「社会はどのように変わっていくのか?」
https://steemit.com/japanese/@sho-t/jp-en
なお、溝口さんとのお話をした背景としては、
「SDGsパトロンプラットフォーム『The Earth』」を考えていたことがありました。
(※The Earthは、「オープンプロジェクト(誰も私物化しないプロジェクト)」として行います。本文の語尾でも少し触れます)
さて、本題に入る前に、
ざっくりと目次を記します。
時間のない方は、この数行だけ見ていただければ良いです。
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- 地球の収支がマイナスである(最重要)
- 若い世代のサステナビリティ意識の高まりが大きくなっている
- 世界的に投資家の意識や投資先の味方が変わってきている
- 経営層が「ミレニアム世代」(社会意義を意識する世代)に交代するタイミング
- アメリカが株主第一主義をやめる?
- 日本でも少しずつ変化
- 定まらない統一基準
- SDGsパトロンプラットフォーム(詳細は別途)
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【1. 地球の収支がマイナスである】
まず、SDGs/ESGの概要自体については、
別の何かのサイトを参照いただくことを前提に話します。(省略すみません)
以下にざっくりとした、わかりやすいイメージを記します。
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仮に地球の収支を考えるとした場合、地球環境による生産に対して、
現在の人間による環境消費はマイナスです。(生産<消費)
このままだと地球が1.7個必要とする計算のようです。
地球の人間全部が日本人だとすると、地球が2.9個必要だそうです。
(エコロジカル・フットプリントという環境容量を表す指標に基づく計算による)
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資本主義社会では、「経済資本」に注力が傾きますが、
そもそも自然などの「環境資本」が土台にあり、
その上に「社会資本」、そして「経済資本」があります。
土台から揺らいでは、本末転倒ということです。(下の図のレイヤーを参考)
基盤から順に、環境資本→社会資本→経済資本で成り立っています。
以下の「2」以降の話に続くすべての前提は、
この「1」の内容になります。
我々は経済などを最重視しがちですが、
いよいよ、その基盤のレイヤーを含めて本格的にアクションしていかなければならないということです。
【2. 若い世代のサステナビリティ意識の高まりが大きくなっている】
皆さんは、スウェーデンの16歳の少女「グレタ・トゥーンベリ」さんをご存知でしょうか?
この子は、世界的にも有名な、学校に行かずに気候変動の阻止のための活動を行っている人です。
大人世代への怒りをプレゼンテーションやストライキで表現しています。
(先日の怒りのスピーチが話題になりましたね)
先日の国連気候行動サミットでは、
マジョリティの扇動でも狙っているかのような感情的なスピーチでしたが、
以下のCOP24でのスピーチは、とても冷静な口調で語られているので、
この子の主張自体を捉えやすいと思います。
他にも、様々な動画がありますので、
この子がただの感情的な子供ではないことはわかります。
この子は単に、代表例です。
次世代を生きる若者にとって、地球全体の問題は大人世代よりも「自分事」になっています。
(地球の収支がマイナスならば、未来からの搾取であるとも、ある意味では言えますから)
今、世界中にこの子のような価値観が広がっています。
私が関わる観測範囲でも、日本でも「若い世代」が立ち上がってきている印象です。
【3. 世界的に投資家の意識や投資先の味方が変わってきている】
今年の初めに、世界最大の資産運用会社であるBlack Rock ※ から、
投資先へメッセージがありました。
※ブラックロックの運用資産残高は6.84兆ドル(約737兆円)
Black Rock CEOから投資先企業へ2019年の年初に送られたメッセージ
https://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/siryou/20190305/05.pdf
その内容は、
〜〜
「単に利益を追求するのではなく、
長期的視点で、企業理念と活動を
リンクさせるようにリーダーシップを取りましょう。」
〜〜
というものでした。
今の世界は、資本主義や国家政治・国際関係のパワーバランスからなる
トップダウンで動く力が強く、
このような機関(世界最大の資産運用会社)からのメッセージは非常に強いものがあります。
普段、普通の日本人は意識しないと思いますが、
こうした世界のトップ機関の動きは、
ある程度自分ごととして捉えていったほうが良いと考えます。
遅かれ早かれ、自分自身にも関係してくるからです。
【4. 経営層が「ミレニアム世代」(社会意義を意識する世代)に交代するタイミング】
現在、ミレニアム世代と呼ばれる世代 ※ は、40代前後になります。
そして今、世界の経営層は、ミレニアム世代に世代交代しつつあります。
※ミレニアル世代
→ミレニアム(新千年紀)が到来した2000年前後か、それ以降に社会に進出した世代
そして、これらの新しい経営世代に向けて、
デロイトの面白い調査結果がありました。
「企業の存在意義は何か?」という問いに対して、
→ミレニアム世代の経営者の回答者のうち63%強が
「利益の創出」ではなく「社会をよりよくすること」を回答していたと言います。
このように、今後の経営世代は、「社会的意義」を最も重視する層となります。
【5. アメリカが株主第一主義をやめる?】
みなさんは、アメリカの「ビジネス・ラウンドテーブル 」をご存知でしょうか?
ビジネスラウンドテーブルは、1972年に設立され、
アメリカの主要企業 200のトップが会員となっています。
そこには、アマゾンやウォルマート、JPモルガン・チェース、アップルなどのCEOも含まれます。
(アメリカ資本主義の最たる集団とも言えます)
そのビジネス・ラウンドテーブルで、
今年8月に「株主第一主義を見直す」といった宣言がありました。
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(引用)
米主要企業の経営者団体、ビジネス・ラウンドテーブルは19日、「株主第一主義」を見直し、従業員や地域社会などの利益を尊重した事業運営に取り組むと宣言した。株価上昇や配当増加など投資家の利益を優先してきた米国型の資本主義にとって大きな転換点となる。米国では所得格差の拡大で、大企業にも批判の矛先が向かっており、行動原則の修正を迫られた形だ。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48745980Q9A820C1000000/
このような流れはキャッチしておくべきでしょう。
【6. 日本でも少しずつ変化】
日本でも、「SDGs経営/ESG投資研究会」など、
経産省などを起点に様々な企業がSDGs/ESGに取り組んでいます。
例えば、以下のURL先などもわかりやすいでしょう。
https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190628007/20190628007.html
しかし、ヨーロッパなどに比較して
意識も内容も全体的に遅れている状況のようです。
世界的にこのような流れが重要視されていく中、
本質的な対応がなされていかないと、
投資先から外され、サプライチェーンから切られるなどの
リスク可能性も出てきてしまいます。
よって、企業も取り組まざるを得ない状況になってきています。
【7. 定まらない統一基準】
しかし、上記のように企業がSDGsやESGに取り組むとして、
その取り組み結果を示すための指標・基準が統一されていないというのが現状のようです。
例えば、国内・国外において
以下のようにスコア基準が乱立しています。
「スコア基準が乱立」
<国際>
・グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)
→GRIスタンダード
・SASB(サステナビリティ会計基準審議会)
→SASBスタンダード
・国際統合報告評議会(IIRC)
→国際統合報告フレームワーク
・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)
→TCFD最終提言書
<国内>
・経産省
→価値共創のための統合的開示・対話ガイダンス
・環境省
→環境報告ガイドライン
このような状態なので、
対応したくてもどうすれば良いのか、というのが現状でしょう。
詳細は以下URL先のレポートにありますので
参照すると良いかもしれません。
ESGに関する情報開示についての調査研究
https://www.gpif.go.jp/investment/research_2019_full.pdf
【8. SDGsパトロンプラットフォーム『The Earth』(詳細は別途)】
上述のように、トップダウンからもボトムアップからも、
未来世代の反応、国際的な動向からも、
あらゆるベクトルがSDGs/ESG/ソーシャルグッド/持続可能性へ向きつつあります。
この議題の本質は、
「私物化」から「誰の私物でもない地球のために」という
大きな視野に向かっていると考えています。
(冒頭の地球の収支が根本にあり、これは宇宙資源を人類が活用できるようになるまで気にせざるを得ない話となります)
そこで、従来とは異なるオープンイノベーション的な形で
『The Earth』という異種のイノベーターで共創する
オープンプロジェクトを構想し始めています。
現在、アート・テクノロジー・NPO・シェアエコ・不動産etc、
20名程度の異種のイノベーター及び10弱のCollaborative Partnershipで
「余剰のソーシャルグッドへの再配分」を実現するビジョンに向けて集まり始めています。
http://the-earth.mystrikingly.com/
10/26にもオープンな対話的会を行う予定です。
https://www.facebook.com/events/2648851835213423/
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SDGsパトロンプラットフォーム『The Earth』構想についての少人数対話会。
(ご興味のある方は誰でもご参加ください)
(少人数でやりたいので多くても20名弱まで)
The Earthは、商品/サービス購入/イベント参加という「日常」とソーシャルグッド活動の「貢献」が結びつき、「自然と社会貢献」が行われていくSNS型ポートフォリオプラットフォームの構想です。
これを、誰の私物でもない「オープンプロジェクト」として、実現に向けて動きます。
事業家・NPO・DIYer・アーティスト・研究者・シェアリングエコノミー 等、様々な異種のInnovater Team(クロス・コミュニティ)で立ち上がり始めています。
以下のページにビジョン・コンセプト概要や、Innovator Team/ Collaborative Partnershipが載っていますので合わせてご参照ください。
http://the-earth.mystrikingly.com/
<10/26対話会暫定内容>
※途中入退室可
※少人数にしたいので20名まで
☆SDGs/ESGを取り巻くマクロ的現状(10分程度)
☆『The Earth』ビジョン・コンセプト説明(15分程度)
☆オープンプロジェクト説明(15分程度)
☆自由対話
ー売上の一部を寄付/ イベントコラボレーション企画
ースコアリング・ポートフォリオ内容のディスカッション
ーその他互いの理解・クロスコミュニティ
etc
クロスコミュニティ・渡り鳥ネットワーク【価値タイズ社会の研究・実験グループ】
※グループ参加承認につきましては、実際にメンバーがお会いした人で、かつコンセプトの合う方
Sho T
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