stepnの今後とGMTの価格

in #stepn3 years ago

今後どこまでSTEPNが伸びていくのかと共にGMTの価格を考察する。

1 現状のユーザー数について
 STEPNの現在のDAUは40万人と発表された。先週は30万人であり、急速な拡大がみられる。また、3週間前のDAUは20万人、登録車は100万人であった。潜在的なユーザー数である登録者数は既に150万人を超えていると思われる。これに加えて、アクティベーションコードの配布を絞っているうえ、コードの需要が供給を遥かに上回っている状況(コードは公開すれば1分もたたず使われる)からすれば、知人から招待を受ける以外で参入するのは著しく困難な状況である。コードの配布を待つ人も含めれば潜在的なユーザー数は更に多い。以上の点だけ踏まえてもDAU150万人まで継続すると思われる。
2 市場を踏まえたユーザー数予測
 BCGの王者であるアクシーインフィニティの最盛期のDAUは220万人であった。アクシーインフィニティは単調な作業ゲーで、稼ぐことのみを目的とした多くの人は1日数時間のプレイを強いられ、苦痛に感じるものであった。アクシーがDAU220万人に達したのは、単純に稼げること、スカラーシップといって他人からアクシーを借りてプレイすることで無リスクで稼げた(その分稼ぎは少ない)点が大きい。普通の人からすれば、馴染みのないゲームであり、参入障壁もやや高い。
 他方、STEPNは、MOVE TO EARNというコンセプトであり、仕組みは単純明快で移動するだけである。ゲームと違って運動をして稼ぐことから、健康にもよく、心理的な参入障壁も低い。単純故に市場はゲーム市場よりもはるかに広い。また、靴を育てるというロールプレイ要素、ギャンブル要素もあるためゲーム市場を包摂する。更に、STEPNはアプリ内にマーケットがあり、スワップ機能があるため、SOLさえ送金すれば後はアプリで操作するだけ。仮装通貨初心者にもハードルが低い。その上、投資効率は高く、稼げる。アクシーでさえDAUが220万人(スカラーがあったとはいえ)に達したことを踏まえるとSTEPNのDAUが220万人を超えても何らおかしくないし、越えなければおかしい。
 この点、他のBCGと比較される人もいるが、他のBCGはいつ、どの段階で資金を抜くか、戦々恐々とアクシーの大暴落を経験した猛者が集う場である。他方でSTEPNは仮装通貨に馴染みのない者ばかりであるし、他のBCGとは全く仕組みが異なるため指摘は当たらない(寧ろ猛者はSTEPNを敬遠しがちである)。
3 GSTを消費させる仕組みを通じた長期的な運営
 STEPNは、アクシーの大暴落を踏まえて長期的にゲームが存続する仕組みを導入している。まずゲーム内で使うトークンであるGSTを積極的に使用させる仕組みを導入することで供給量の増加による価格の低下を抑えている。具体的には、靴のLv上げ、修理、Mint、ジェム開封、合成である。アクシーは、SLPトークンの消費の仕組みがすくなかったため、トークンの供給量が消費を大きく上回り、暴落したのである。
 とはいえ、GSTも新規参入者がいなければ供給が消費を上回り、暴落は免れない。つまり、現状GSTを大きく消費しているのはMintである。コモンであれば、200GSTで靴を1足Mintできる。Mintした靴を参入者が買われることで、SOLを獲得し、それを元手にまたMintするというようにGSTが継続的に消費される仕組みになっている。靴が売れなければ、誰もMintをしなくなるため、新規参入者がシステムを支えているといえる。
 靴の価格は、Mint費用と相関関係にある。Mint費用に15万円かかれば、靴の価格はその前後になる。靴の価格が15万円を切れば、Mintで損をするため、Mintが控えられGSTも消費されず価格が下がる。GSTが下がればMint費用も下がる。逆に靴の価格が上がれば皆がMintをするため、GSTの価格が高くなる。靴の価格とMint費用(GSTの価格)は密接に結びついている。ここで面白いのが、靴の価格とGSTの価格が結びついているということは、靴の購入者が何日で原資回収できるか運営がある程度意図的に設定しているということだ。たとえば靴のフロアが12SolならGSTは大体5ドルになる。コモンの靴であれば、大体の獲得GSTは予測でき、獲得したGSTを最低限のレベルアップに使って後は売れば原資回収は1ヶ月半程度が目安になる。このような投資効率は、運営のさじ加減で決まる。ということは、逆に言えば、GSTがアクシーのSLPの様に暴落することを運営が予期した場合は、この投資効率を変動させることで、暴落を防ぐことができる。
 暴落を防ぐ手段として運営が用意しているのは、修理費用の増加、獲得GSTの低下、LvUp費用の増加、Mint費用の増加、GEM合成コストの増加等である。いずれもGSTの消費量を高めてエコシステムを継続させる手段である。
 現状GSTの消費をうまくコントロールし、更に消費を促進させる手段がいくつもあることからすれば、STEPNはDAUの増加によっても今後も継続していくことが考えられる。
4 新規参入を抑止することによる長期的な運営
 アクシーでは急激にプレイ人口が増えたことから、アクシーのMintの需要が増え、SLPが10倍まで高騰した。そして人口が増加したことで、SLPの供給が需要を大きく上回ったため、SLPは大暴落した。STEPNでは招待性をとることで参入者を絞り、靴の需要を一定程度にとどめることで、GSTの需要を抑制している。
 靴の需要と供給のバランスをとることが下手な運営であれば、一気に靴の価格が高騰し、参入者が爆発的に(150万人まで)増えて一気にエコシステムは崩壊する。
5 GMTへの移行による長期的な運営
 参入者が増えて多くの者がGSTを稼ぐようになると、必然的にGSTの供給が増加し、参入者が減ってきた段階からGSTの価格は緩やかに減少する。これは避けられない。STEPNはこれに備えて、今後レベル30の靴でGMTを稼ぐことが可能になる。これにより、高レベルでGSTを数百も稼ぐ古参ユーザーがGMTを選択することで、GSTの価値の供給が減り、価格の維持が期待できる。
 問題は、GMTを稼げるようになったとして、ユーザーがGMTを稼ぐことを選択するのかという点である。
 GMTが稼げるようになるとして、1日数十万枚の供給が見込まれる。ところが、30レベルの靴を所持するユーザーが5万人もいれば、1人当たり単純に割れば十数枚程度しか獲得できない。これは、もともとGSTの獲得上限が300枚なのに対してGMTが15枚だったことからも運営が想定していたとおりの枚数と思われる。現在GMTは約3ドルであり、明らかにGSTより稼げない。
 だからこそ、運営はエコシステムを維持するためにGMTを大幅にバーンしその価値を高め、供給を消費が上回るような状態を画策している。
 GMTのユースケースのうち、現在は
・レベルアップ’5,10,20,29,30(合計229枚)
・レアMint(1000枚)
 が導入されている。
近いうちに、
・GST獲得上限アップ(予想は2~4枚につき上限1アップ)
にもGMTが使われるようになる。
その他、以下のものが予定されている。
・ステータスポイント振り直し(予想は1枚につき1割り振り)
・ジェム合成確率アップ(予想は1000枚。或いは多く使用することで確率アップ)
・双子確率アップ(予想は2000枚)
・Mintでレア靴確率アップ(予想は2000枚)
・シャーデンフロイデ
・ステーキング
 以上のユースケースのうち、確率アップは、永続的なものであるから大量のGMTを要求すると思われる。簡単に確率アップをしては、エコシステムに影響を与えかねないことから、予想以上に多くの枚数を求められるのではないか。もっともその恩恵からすれば多くの者がGMTを消費することが予想される。
6 STEPNの今後とGMTの価格予測
 当たり前であるが、GMTはDAUが増えれば増えるほど消費される。100万人のユーザーが600枚のGMTを使えば6億枚の消費である。そしてこれは前記のユースケースからすれば新規が最低200枚、やりこんでいる者が3000枚と使えば達成できないわけではない数値である。それだけGMTが使われれば、GMTの価値は恐ろしく跳ね上がる。ユースケースの設定からすれば、今後GMTの供給がされてもバーンが上回り、総発行枚数60億とはいえども6億枚以上になることはないと思われる。
 STEPNが続けば続くほどGMTの価値は上がり続ける。単純に需要があるからである。
 今後のGMTの価格は3000円はまず超えてくる。当然バーンされているため、時価総額的にもあり得ない数字ではない。3000円は超えないと今のGSTの価格からしてGMTを選択するものは多くないからである。
 
 DAUが仮に1000万人を超えてくると、GMTの価格は数万円単位になると思われる。この段階では、GMTが高すぎてGMTが使われにくくなるだろう。逆にGSTは緩やかに価格を下げて下手すれば数十円という程度になる。そうなると、新規参入者はレベル30でGMTを稼ぐことを目指すようになる。レベルアップはGSTを使う者も多くなる。そうなるとGSTの価格は維持されてくる。GMTを稼ぐ者が100万人に達しても、価格が1枚当たり数万円であれば稼ぐ者もいるだろう。DAUが増えればGMTの価値が上がる関係になりエコシステムは長く続くようになる。GMTをベースに置いたエコシステムの設計は供給を消費が上回る限り、崩壊しにくいものになる。最終的にはこのような形でSTEPNが継続していくものと予想する。