もう軽く10年以上前、私は中学一年だった。
家から歩いて3分の小学校から、電車で15分の中学校へ通う事となった。
それまで自力の移動は基本的に、歩くか走るか小走りかスキップか自転車で行ける範囲で生活していた私は
中学一年まで切符を買って地下鉄に乗った事が無かった。
なので初めて地下鉄に乗った時は、けれど初めてと思われたく無くて知った風に脇目も振らず改札に行き、改札の切符を入れるところに小銭を入れて当然小銭は入らずガチャガチャガチャ!となったので「うわあああ!」とびっくりおののき友人に笑われた。
そんな子も、通学に伴い行動範囲も広がる。
大げさだが、未知の世界が広がっている事に気付いた歳だったと思う。
自然と学校帰りや休日に、友人と、京都の賑やかスポットの四条や三条、特にそんなには賑やかでもないスポットの地元のビブレに行くようになった。
もちろんカフェにも行きだした。
自分の世界地図が築かれていく、どんどん描き込まれ彩られていくようで楽しかった。
だが友人と沢山のカフェに行くも、飲むのは紅茶ばかりで、中学二年になっても私はまだコーヒーの美味しさは知らなかった。
アホみたいにでかいパフェを最後は吐きそうになりながら半泣きで食べた時もミルクティーを飲んでいた。かろうじて砂糖はいれていなかったが。
「コーヒー?なぜ?紅茶はもうこんなに美味しいのに?コーヒーを飲む必要が?紅茶でいいやん。」
そう思っていた。
しかし好奇心もあった。
「なぜコーヒー好きな人はコーヒーが好きなんだろう?コーヒーの美味しいって?」
自分の知らない未知の感覚、コーヒーの美味しさを知りたいとも思っていた。
持ち前の好奇心とチャレンジ精神で気まぐれに、たまにカフェで
「あっきー(現在も交友している友人)よ…私は今日、紅茶でなくてコーヒーを頼む。」と宣言し「ホットコーヒーを下さい!」と声高らかに注文し、一口のんで首をかしげる、という事を繰り返していた。
エスプレッソが何たるかも見たことも無いまま、普通のコーヒーの色が濃いか薄いかくらいだろうと思ったまま「このエスプレッソを…」と知った風に頼み、テーブルにちょこんと置かれた小さなカップに虚をつかれたりもした。そんな私を見てあっきーは肩を震わせていた。
「まじで?この小ささでこのお値段?あっきー見て?めっちゃ小さくない?これ、私の頼んだやつめっちゃ小さい…見て?私お店の人に嫌われてるんちゃうかって位小さい…………にっが!!!!!!」
口をつけエスプレッソの濃厚さ、苦味に顔を歪め体を硬直させる私を見てあっきーは更に肩を震わせていた。
私はそんな感じで「コーヒーの何が美味しいんだ…」そう思い続けていた。
しかし諦めなかった。
美味しいという人がいる限り何かはあるはずだと。
わたしはまだ出会っていないだけかもしれないと思っていた。
その通りだった。
ある日、あっきーが(あっきーはいつもナイスなお店の情報を教えてくれる)あるお店がいい感じだから行こうとふわっと誘ってくれた。私もいいよ〜とふわっと誘いに乗った。
目的地は京都は元田中「WEEKENDERS COFFEE」
一歩入ると広い空間とコーヒーのいい匂いが広がっていた。
ガラス張りの大きな窓、ソファ、冬だったのだがレトロな形のストーブが洒落ていた。
一目で私は気に入った。なんだかここは今まで行ったカフェの中で一番好きかも、すごくすごくいい感じだ。
とふわっと好感度がすでにマックスに近かった。
そんな浮かれた気分のまま気づけばコーヒーを頼んでいた。
気持ちいい空間。あっきーとゆるゆるとお喋り。楽しい時間。そこに運ばれてくるコーヒー。
一口飲んだ。
「美味しいコーヒーってのはこういう事か!!!!!」
ふわっとした世界に稲妻が落ちた。
「コーヒー?」の?が吹っ飛んで「コーヒー!」にもなった。
「あっきー!!ここのコーヒーめっちゃ美味しい!!ていうかこれがコーヒーなんやな!!」
目を丸くして興奮して私は笑っていたと思う。感電して痺れて笑っていた。
むちゃくちゃ嬉しかったのだ。
ずっと知りたかったコーヒー、コーヒーの美味しさ、コーヒーの魅力、コーヒーだけで味わえる感覚を知る事ができたのだ。
そう、WEEKENDERS COFFEEは何も知らなかった私にコーヒーの美味しさを、コーヒーを教えてくれたお店だ。
私の世界地図にグリグリと濃いマジックで「コーヒー」と描き込ませてくれたお店なのだ。私のコーヒー歴史の始まりのお店だ。
そんなWEEKENDERS COFFEEにそれからも何度も通うのだが、今は元田中の方はもうカフェはやっておらず豆の販売をされている。
新しくできた富小路のお店でコーヒーを淹れてくれて
小さな、田舎のバスの待合所のようなベンチで座って飲む事ができる。
信頼の安定の美味しさだった。
同時に、これまで書いたような長年の懐かしさもこみ上げてきて、感慨深くなる。
ブレンドと、カプチーノの二杯飲んで帰った。
同じく京都は一乗寺にある「アカツキコーヒー」も、うわ!美味しい!と思ったのだが、アカツキコーヒーの豆もWEEKENDERS COFFEEのものだった時は運命を感じた。
京都で美味しいコーヒーは?ときかれたらWEEKENDERS COFFEEとアカツキコーヒーを私はオススメしている。
今回ここでは、私に初めてコーヒーの美味しさを教えてくれた大切なお店、私のコーヒー好きの始まりであるWEEKENDERS COFFEEの紹介なのだけど、切っても切れない感じなのでアカツキコーヒーの情報も載せさせて欲しい。
☆WEEKENDERS COFFEE元田中(豆の販売のみ)
OPEN
10:00-14:00
CLOSE 水・土・日
京都府京都市左京区田中里ノ内町82藤川ビル 2F
TEL/Mail 075-724-8182
☆WEEKENDERS COFFEE 富小路
http://www.weekenderscoffee.com
OPEN 7:30-18:00
CLOSE 水曜日〈水曜日が祝日の場合は営業〉
604-8064
京都市中京区富小路通六角下ル
西側骨屋之町560離れ
TEL
075-746-2206
アカツキコーヒー
http://akatsukicoffee.com/muscat1b/
住所 京都府京都市左京区一乗寺赤ノ宮町15-1
TEL/Mail 075-702-5399
営業時間
9:00-17:00
定休日 日・第二水曜日
皆さん、京都にお越しの際は是非に行ってみて下さい。
では、今日も良い一日を!
グルメ情報
WEEKENDERS COFFEE富小路
こちらの投稿は Tasteemのコンテスト
私が紹介する今週のグルメ店に 応募されたものです。
読み応えがあって面白かったです(╹◡╹)
子供の頃って何でも知ったかぶってしまいましたよね〜。笑
京都行ったらWEEKENDERS COFFEE行ってみます!
ありがとうございます!ほんとです、知らないという事に素直になれない子供特有の😂せめて落ち着いて他人のする様から学ぶとか真似すればよかったのに…私よ…と思います(笑) わー!!是非行ってください!嬉しいです!!
MEEP
読んでいて、凄くコーヒーが飲みたくなりました(笑)
お気に入りの喫茶店で、ゆっくりコーヒー飲むのって癒されますよね~(*´-`)
京都に行く際は行ってみます!
ありがとうございます!osarusanのコーヒー欲に働きかける事ができたなんて嬉しいです😆 ほんと、自分の場所って感じがして落ち着きますよね。ウィーケンダーズ富小路は席が小さいので場合によっては長居できないのですが、味は確かです。ぜひにー!
良い記事書いてありがとうございます。どんどん日本のコミュニティを盛り上げていきましょう。
こちらこそ、面白そうな企画をありがとうございます。思い入れがあるところですので、書いていて楽しかったです!
ありがとうございます。それからsteemitが日本で広まるために何が必要なのか色々ご意見もくださいませ。皆さんからの意見が聞きたいです。
WEEKENDERS COFFEE、これはいい情報を聞きました!
ありがとうございます(´∀`)/行って良かった!と思って頂けることを願っていますー!
私が紹介する今週のグルメ店 コンテストにご応募いただき誠にありがとうございます。 @noranora様の 投稿でテイスチームがより魅力的な場所となりました。Votingいたします。.それでは、幸運を祈っております。
@noranora you were flagged by a worthless gang of trolls, so, I gave you an upvote to counteract it! Enjoy!!
Thank you!