アメリカに住みたいっ!と言ったところで、困るのはビザです。アメリカ人と結婚すればいいのよって簡単に言う人がいっぱいいますけど、日本にいても、結婚できる相手に出会うのはなかなか難しいというのに、文化も価値観も言語も違う外国の地で、結婚するなんて簡単に起こる事ではありません。
もしくはグリーカードロッタリーに応募して当選するかです。結構当たるらしいよって人は簡単に言いますが、自分のステータスをそんな宝クジみたいな物に頼るなんてできません。計画を立てて実行しなければ。
私は学生ビザでアメリカに入国しましたが、年々と移民に対して制度も厳しくなり、これ以上学生ビザでアメリカに住み続ける事は、できないと思い、3年前にビザサポートをしてくれる会社を探しました。
ロサンゼルスの日本人求人広告をみて、「ビザサポートあり!」などと掲載されているものに、(サポート希望です)と添えて履歴書をかたっぱしから送ってみました。ちなみに私は、日本で11年シェフをしていました。すると3社から面接に来るように折り返し連絡がありました。
1つ目はベーカリー。「パン屋になりたくて、旦那を置いて、子供を連れてアメリカに来ました。」という、20代後半か30前半くらいかなぁと思われるハキハキ元気な女性が面接してくれました。日本のパン屋のが美味しいと思うけど、なぜカリフォルニアまで来ちゃったのかな?と不思議に思いながら、日本でパティスリーの経験がある事を伝えると、その女性は目を輝かせて、是非働いて欲しいですと言い、オーナーが来るまで待つよう言われました。
渋滞で遅れたと言って、アポイントメントの時間より40分ほど遅れて、オーナーが到着しました。50代くらいの子柄な男性でした。「ビザサポートは可能ですか?」と質問すると、「うちは、できなくはないんだけど、あんたの実力がわからないし、大体あんた経験あんの?」と言われました。え?履歴書送った上に、今も持参してきてここにいるのに、どこも見ていないの?しかも遅れてきて、随分な態度を取る方だなぁと思いながら、「日本でケーキ屋で2年、イタリアンレストランで5年間デザートも作っていました。」と答えると、「じゃあ仕事はできるんだろうから、うちとしては働いてほしいけど、ビザサポートは考えさせてくれ。ビザってH1だろ、弁護士に相談しないといけないし。」と言われました。
そんなんだったら、(ビザサポートあり!)って堂々と広告に載せないで欲しかったな、H1は現在取得が難しくなってるし、ここは無理だな、ものすごく時間を無駄にしてしまったと思いながら、「サポート前提なしでは働く事はできません。」と答え、面接は終わりました。私も車で一時間以上かけて運転して向い、帰りは更なる渋滞にはまり、がっかりしながら家に辿り着きました。
2つ目は、トーランスという日本人が沢山住んでいる街にある、日本食のお寿司屋さんです。面接に行くと、丁寧な話し方の感じの良い60才くらいの男性の方が面接をしてくださいました。日本でのシェフ経歴、アメリカで寿司を作る事も覚えた事を伝えると、E2ビザスポンサーとして私を採用してくださると言ってくださいました。残念ながら、寿司シェフはつい最近決まってしまったので、しばらくはキッチンを担当してもらう事になるかもしれないが、他にも店もをオープンして行く予定なので、シェフが必要であるとの事でした。とりあえずひとつ確保。少し安堵。
3つ目の面接は、アメリカで何店舗か展開している、深夜2時まで営業の完全な居酒屋スタイルのレストラン。面接にいくと、20代前半の若い男性2人が面接してくれました。2人がキッチン全般を任させれているようでした。「この会社は、ビザサポートは確実に可能です。僕も永住権申請サポートもしてもらって、働いてます。」とひとりの男性が話しだし、「ただ仕事は結構しんどくて、昼3時から午前3時までの12時間労働、深夜1時頃に1時間の休憩をまわしています。週6日間勤務になると思います。アメリカなので、完全にオーバータイムも保証されるので、給料は1ヶ月$4000は貰えます。使う暇がないから、お金は貯めれると思いますよ。いや、なんせ人が足りてなくて。こいつなんて初日から急に人が辞めて、誰ひとり教える間もないまま、ひどいもんだったんですよ。なっ。」と、もうひとりの肩をばしっとたたきながら言いました。そういえば、もうひとりの男の子はさっきから、「はい、はい」と相づちしか打っておらず、ボサボサ頭に目も死んでいて、顔は疲れ切って、ただこの椅子に座らされているだけ、ばしっと叩かれてもよろけながら、「ハイ」しか言えず、心ここにあらずに見えました。うわ〜でた〜ブラック企業だ。ビザサポートでがんじがらめにして、いいように使うっていう…アメリカではよくある話だそうです。やばいやばいStay away from them! 逃げろ〜。足早に面接を終えました。
やはり2社目に決めるしかないかなぁ、キッチンよりは寿司シェフがよかったんだけど…と考えていた頃、ちょうど友達の旦那さんがオーナーシェフでオープンした店が、ビザサポートできるかもしれないから、働いてみないかと声がかかりました。
一番ボスのオーナーもタイミングよく日本から来日するのでといって、早速面接となりました。野菜を中心にした健康思考のレストランで、日本で精進料理と京野菜の店で2年ほど働いた過去の経歴ともマッチしており、E2ビザサポート付で即採用が決まりました。
とんとんと順調に話が決まり、アメリカに来て野菜料理には興味はなくなっていたものの、自分の得意分野だし、友達の家族のビジネスも応援したいとその頃は素直に思っていましたし、知り合いのお店なら働きやすいだろうと安易に考えて、そこで働く事に決めました。
ちなみにE2ビザは、アメリカでビジネスをしている日本人の投資家ビザで、日本の会社が日本人を雇う時によく使われています。最近は労働ビザのH1ビザは取得は難しくなっているので、Eビザが人気になってきています。日本の会社で働くわけなので、アメリカとはいえ、日本色が濃くて日本のみっつめの会社のようなブラック企業のように過酷な労働を押し付けられるところも多くあると聞いてます。
私のこの友達の旦那さんの店で働くという決断は、のちのち大後悔するハメになって、実はワーストチョイスだったなと今になって思いますが、その時は働く意欲に燃えていました。
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初めまして。
アメリカでの🇺🇸話しとっても面白く興味深いです。
続き楽しみしています❗️
フォローさせて頂きました😊
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フォローありがとうございます!steemitの使い方がよくわからず四苦八苦しながら書いています。私もフォローさせて頂きます!
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